大きな栗の樹の下で・・・

山の栗の林はたいていが私的所有地又はシチリア州立エト ナ公園の指定地域です。
といってもたいしたケアは受けられなくて、そのまま放っ ぽらかされているような感じですけど。
カターニアの人々の秋の 楽しみは、山に栗を取りに行くこと。
所有地だろうが公園だろうが、鉄線が張っていようがおか まいありません。
どんどん中に入っていって、しかもバーベキューセットやテーブルまで据えてキャ ンプ気分  一日がかりの大量獲得のつもりでやって来ます。

せっかく自分の栗の林 なのに、町から一足早くきた家族たちにごっそり盗られてフンガイしている山の人たちが沢山います。
食べ物の実りある山の世界では弱肉強食、理性なんか通用 しない世界なのか???

別に栗拾いを楽しむ分にはかまわないと思うのですが、こ ういうカターニアから来る人たちの大部分が、「山のマ ナー」を知らないから困ります。
(あ、イタリア全体の人たちに言えることでしょうけど ね)

キャンプしたらプラスチックの皿やコップ、袋などを片付けないで散らかして行く。

栗の実を落とすのに樹を揺するんじゃなくて、太い枝で実 がなっている枝ごと叩き落とす。
網や鉄線を破壊して無理やり林に侵入する。

ういう人たちのことを、山の村では「マウマ ウ」と呼んで嫌っています
マウマウというのは、アフリカの民族の名前っぽい響きが あるでしょう?

要するに町の連中は村の人々を軽蔑しているけれど、実際 は自分たちが吹聴するほどの文化教養などない未開民族 と同じだと言いたいのでしょうね。

話しは栗の実から栗の樹に移りますが、栗の樹は丈夫で硬 くて、家のドアなどを作るのには最高の材料なんだそう です。
職人さんとしての大工さんが減ってしまって、こういった ドアはとても高価になりましたが・・・。

残念なことに、エトナ山の栗の樹の多くが黒いこぶができる癌に冒されてきているだそうです。
原因は未だにわかっていません。
山林所有者の多くが、癌に強い日本の栗の樹に植えかえて きているのだと聞きました

山 のマナーを守ってくれるカターニアの人たちが、末永く秋の行楽であるエトナ山での栗拾いを楽しめるよう、祈らずにはいられません。
   
2005年 齊藤 エトナ